現代アートを共同保有できるANDART(しかし所有権は無い)に思うこと
あいさつ
絵画(とりわけ現代アート)の継続的な購入をはじめました。
購入のきっかけは”好きな画家の作品を部屋に飾りたい”でしたが、絵画の蒐集は鑑賞面だけでなく、投資面としても面白いと思っています。暫くはボーナスの一部を現代アートへ投資するつもりです。
社会人5年目SE、夏ボーナスの額面と手取りを公開します - はやく貝になりたい
さて、今回は絵画購入のためネットの海をさまよっていた際に見つけたANDARTというサービスについてです。 先に述べますが、”サービスの着眼点は面白いが私は利用しません。価値を感じません。今後に期待。”という内容です。
ANDARTとは
ANDARTは現代アート作品の共同保有ができるサービスである。
ANDART(アンドアート) | 現代アート作品の共同保有プラットフォーム
数百万円、数千万円、億…と作品によっては超高額な現代アート、高すぎて手が出せない、ならばみんなでお金を出し合って共同保有しよう、というもの。作品毎に1口数万円で販売されるオーナー権を購入することで、共同保有となる。オーナー権の売買機能も今後予定しているとのこと。
面白いサービスだと思います。
しかし、サービス内容をよく見るとひっかかる点が。
共同保有を謡うが作品の所有権は無い
このANDART、オーナー権に作品の所有権はありません(2020/8/10現在)。
オーナー権とはなんですか?
オーナー権とは各アート作品ごとの価格から当社が数量限定で発行し、優待を受けられる会員権をいいます。
以下リンク先の「サービスについて」にも所有権について分かり易く記載してあります。
【インタビュー】アートの共同保有「ANDART」に注目!アートコレクターがサービスについて色々と聞いてみた。
共同保有であるし、オーナー権でもある、しかし作品の所有権は無い。オーナー権を何口持っていようとも(究極的には作品のオーナー権を買い占めたとしても)、その作品を所有していることにはならない。
これが非常にひっかかる。
オーナー権は「優待を受けられる会員権」でしかないため、オーナー名掲載やデジタル証明書、作品鑑賞、オーナー限定イベント等、これらを受ける権利を買っていることになる。これら権利に数万円の価値を感じるか。
私は感じない。
オーナー権の売買機能しだいか
オーナー権に作品の所有権が無い以上、作品そのものの価値上昇とオーナー権の価値上昇を単一に考えることができない。作品の価値とオーナー権の価値、これらの紐づきがどれだけあるか疑問である。
そういった意味で、今後予定されている売買機能が作品の価値変動とオーナー権の価値変動をANDART側が保証してくれるようなものであれば途端に投資面からみて興味深い、利用したいサービスとなる。
作品の価値が上がると思う、だからオーナー権を買う、と単純に考えることができるからである。
余談であるが、ANDARTがオーナー権の価値決定に介入しない株式売買のような機能だった場合、オーナー権の価値はいずれ暴落すると思っている。オーナー権に所有権が無いことを知った利用者の売りが押し寄せるのではないかと(SNSをみるとオーナー権購入と作品の所有を同一視している利用者がとても多く感じる。そもそも所有権が無いことをでかでかと記載していないため気づきにくい)。
最後に
優待だけに一口数万円の価値はどうしても感じられない。
共同保有を謡い、オーナー権という名称を使うならば作品の所有権が欲しいところ。
サービスのコンセプトはとても面白い。今後を追いたい。